第4歌集 − 朱樸抄
中央公論事業出版、2020
朱樸抄(しゅぼくしょう)セルフコメント
序文は俳人・詩人・翻訳家の斎藤昌哉氏。全3章414首(うち俳句28句)。2014年春から2019年始めにかけて詠んだ短歌と俳句で構成。
はろばろと三浦の山の二つ三つ 鴉の鳴くもどこかか細く
血のにじむ脛を気にかけ頂の巌に立てばやんま来向かふ
蟇の音のくぐもる窪地のそろそろと靴を気にかけ右に左に
第3歌集 − 青寥譜
角川書店、2016
青寥譜(しょうりょうふ)セルフコメント
序文は文筆家の植草学氏。全5章403首収録。2009年から2014年夏までに詠んだ短歌で構成。各章の扉に内村悠己氏の写真を掲載。
ゆく末もまたとなき道まよひ径いづこへと入る谷の深さよ
十重二十重突き出す岬風に澄み犬と連れ立ち岸ありくなり
積乱雲輝きわたる真昼間を行き交ふ鳥の影さへもなし
第2歌集 − 玄躁録
村松書館、2012
玄躁録(げんそうろく)セルフコメント
序文はドイツ文学の檜山哲彦先生。全4章・400首の構成で2007年から2008年に詠んだ歌が中心となっています。作者としては、白に対する玄、憂に対する躁という気持ち。
うぐひすのしば鳴く入江凪ぎわたり朝の子午線遠くかがよふ
ははとじの郷に鎮まる八幡にやや肌寒く神託を待つ
反吐の跡いくつ乾ける夜のホーム駆け抜けよ いざ目をば見開き
第1歌集 – 白憂集
アートコミュニケーション、2009
白憂集(びゃくゆうしゅう)セルフコメント
序文はフランス文学の篠沢秀夫先生。全4章の構成で2005年から2006年にかけて詠んだ歌が中心になっています。一部、それ以前に作ったものも改作した上で収録。総収録数は400首。
石狩の海の上なる羊雲思ひ思ひに茜あびるも
赤坂の谷底めがけゆらゆらと案内は請はぬ逍遥学派
たをやかに黄色き蝶は羽を閉ぢ同じき色の肩に休らふ
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